星空と「私」

 週末に清里に行ってきました。やはり星空というものは何度観ても良いものですね。

 星空を見上げていると自分がとてもちっぽけな存在に思えてきた、ということは誰しもが一度は体験するところですが、最近読んでいる高橋昌一郎「理性の限界」(講談社現代新書)にこのようなことが書いてありました。


量子論によれば、ミクロの物質は、誰も見ていない時、さまざまな場所に同時に存在している」(p.145)

 
 星や月も「ミクロの物質」が集まったものですから、最新の量子論では同じことがいえるそうです。
 文型の私には、その真偽のほどは理解できません。でも、もしこの理論が正しいのであれば「私が見上げているから、今見ている星空が存在している」といえるのではないでしょうか。
 確かに星空が美しいのは私が観ているからこそです。私が生まれていなかったり、私が死んでしまっていたら、星空が美しいということはありません。
 せっかく星空を見上げるなら、自分のちっぽけさを思うのではなく、この星空の美しさを構成する「私」が存在することの偉大さに思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。